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第83回 今ここにある将来へのヒント発掘法

想像だにしなかった年になりました。2020年、本来であれば東京オリンピックが開かれ、東日本大震災から復興した日本を世界にお披露目する年であったはずが、世界を巻き込む大災厄の中で満開の桜も見に行けない不思議な春です。

多くの人がこの停滞の向こうに何が待っているのかを予想しています。その予想は大きく二手に分かれます。一つは現実的かつ悲観的なストーリー。もう一つは状況をポジティブにとらえ今こそ会社がそして経営者自身がステージを上げるときと考えるシナリオ。

同じ現実でもとらえ方によって行動は大きく変わります。経営者や組織のリーダーとしては、物事を悲観的にとらえて行動を止めることだけは避けなければなりません。

思い起こせばリーマンショックの後。今回と同じように雇用調整助成金の支給によって、多くの中小零細企業が需要の減退するなかを何とか生き延びることができました。助成金と余った時間を活用して、それまでの忙しさの中では決してできなかった社員研修を行い、はからずも社員の能力開発を進めることができたという会社もあったでしょう。少なくとも、バブル崩壊のあとのときのように、会社の周りの草むしりしかやることがないとかいった悲惨な状況は避けられたわけです。

そして景気が悪い悪いと言われ続ける中でもいくつかの景気刺激策が打ち出され、数年たつうちに気が付くと「プチバブル」とささやかれる状況になっていました。

このとき少し温かくなってきた経営環境をいち早く感じることができたのは、苦しくてもやり続けてきた経営者でした。世の中のトレンドが変わることを予見して、それまで提供してきた商品やサービスの内容を少し調整し、立ち上がりつつある顧客をサポートするようにコンタクトを取り続けた会社は、少しずつ顧客や取引先の気持ちが回復してきたのを感じることができました。そして保ち続けた関係を糧に、ニーズの高まりをとらえることができました。

リーマンショックの後の雇用調整助成金については、その後、否定的に評価されたこともありました。たとえば、本来景気が悪くなると、時代に合わない商品・サービスや企業は淘汰される。ところか雇用調整助成金ができたために、幸か不幸か、淘汰されるべき企業や事業が残ってしまい、それがのちの社会の負の遺産となった、という評価です。

それは、助成金が出されてしまったために、本来やるべき変化への適応に手抜かりがあったということなのでしょう。楽をしてしまったツケが回ってきてしまったようなものです。

ではこの停滞の向こうにある変化にどのように適応していけばよいのでしょうか。もちろん変化の行方をシミュレーションするということも大切ですが、まずは、何のための事業か、何のための会社かという「中核」に立ち戻ってみるのが良いと感じます。

今までの商品やサービスは、その「中核」を今までの環境や状況に合わせて最適化したものだったはずです。環境や状況、顧客の様子が変われば、その中核を反映した商品やサービスも変化するはずです。

飲食業がテイクアウトを始めて当座の売り上げ減少を補うというのも、周りがやっているからやるのではなく、自身の「中核」に根差したものとして意味づけてからやるべきです。どんな策もその場しのぎにするのではなく、後に続く関係づくりや、もっと言えば来るべき新しい時への備えとして位置づけておきたいのです。

誰もが苦しい時は、まずは顧客や取引先を助けるところから始めるのも良い方法です。いま無料のサービスや無料のサポートが多くみられるようになったのも、新しい関係性をつくるきっかけだと考える事業者が多いからです。

いたずらに悲観的になることなく、今ここに将来へのヒントがあると信じて、進んでいきましょう。


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