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第73回 中学校の校則から見るルールのあるべき姿

ある中学校で女子生徒の下着の色まで校則で決めていると取り上げられ話題になりました。LGBTや人権問題まで絡んでいて何やら複雑なお話しです。「下着の色は白」と決めることを人権侵害と結び付けるのはやや行き過ぎな感じもするのですが、これだけたくさんの種類の下着が店で売られていることを考えると、「選択の自由」を奪われることの窮屈さは確かにあります。

会社のなかのルールにも運営上必ず必要なものもあれば、よくよく考えると理由が分からないものもあります。件の下着問題では、「女子が体操服を着たとき、透けて見える下着が白でないと目立ってしまって男子が落ち着かない」のがルール化の根拠とか。男子にとっては切実な問題なのかもしれませんが、当事者である女子にとってはルール化されている必然性が全くありません。

会社を運営するうえでの合意事項としてのルールは必要です。会社は顧客を惹きつけ、サービスや商品を提供することでニーズを満たし、リピートしてもらうことで利益を出します。その利益を使って人件費を支払い、未来への投資をするわけですから、そのサイクルを回すために必要な合意事項はルールとするべきです。問題があるのは根拠のないルール、合意されていない、あるいは管理のためだけのルールです。

もしそういったルールが会社のなかに存在していて、心の中ではおかしいと思いつつ全員が従っていたとしたら、面従腹背の文化に侵されているかもしれません。それが明文化されていない暗黙のルールだとしたらさらに厄介です。

たとえば今はよほどなくなりましたが、少し前まで女子社員のお茶くみ問題がありました。お客様にお出しするお茶ならまだしも、社内の男性が飲むお茶くみの係が決まっていました。私の友人(女性)は若いころ、この手のお茶くみを強いられ、「雑巾絞ってお茶に少し足しといたわ」とうそぶいていました。根拠のないルールには水面下で歯向かう人が必ずいます。

昨今、自律的な社員が求められる中で、ルールがいらないと勘違いする人が出てきています。少し危険な兆候です。特に社員が自律的に動けるほど成長、成熟していないのなら、会社の目的と利益創出を目的とするルールづくりは必須です。そして全員の合意事項として運用する必要があります。

会社をとりまく環境は日々変わりますから、ルールの変更も大いにあり得ます。半世紀も前に作ったルールを守り続ける会社があれば、それは思考停止に陥っている証拠かもしれません。もしそういう状況にあるのであれば、ルールをなくすのではなく現状にあわせて合理的に作り直すということを考えたいものです。

そして一つ付け足したいのは、ルールは個々の人の持つ個性まで縛るものではないということです。たとえば「互いの個性を尊重する」といったものもルールの一つになり得るのであって、ルールによって社員を金太郎飴にしようというわけではありません。この違いを理解してほしいと思います。


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