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第72回 「頭が凝り固まっている」組織への処方箋

先日、知り合いのビジネスマンと話をしていて、社会人の創造性が悲しいほど乏しいという話題になりました。特にお堅いところにお勤めの中堅社員に、「あなたが新しいビジネスを始めるとしたら何をしますか?」といった質問を振ると、まったくアイデアが出てこないと。

以前、「デザイン思考」のワークショップをクライアント企業でやらせていただいた時も、参加者から同じような反応が出てきました。「私たちはもう何年も同じ環境にいるので、頭が固くなってしまって新しいことが全く考えられない」というのです。

同じ環境に長くいて、毎日同じ仕事を繰り返し、会社の外の世界との接触がないと、頭が凝り固まる。その現象を悩ましいと思っている人は意外に少なく感じます。というのも、その枠から外れた発想を求められるケースが少なく、限られた思考のなかで毎日が大過なく過ぎていくからです。

でも今までの延長線上で事業をやっていても会社の発展は望めない。既存顧客の維持すらままならず、新規顧客の開拓などなおさら無理、というのであれば、新しい発想で新しいことを考えなければいけません。この局面に至って「頭が凝り固まっている」ことの弊害を実感することになります。

「頭が凝り固まっている」ことに悩んでいる人に、「頭を柔らかくしなさい」といっても、「それができれば最初からやっています」と言われるのが落ちでしょう。ここは別の角度からアプローチをしたいところです。

たとえば、ポジティブ心理学でいう「拡張―形成理論」を使ってみる。ポジティブな感情を持つ人は、その感情が起点となって、脳内のドーパミン、セロトニンが放出され、学習機能が活性化された結果、より創造的になる、という理論です。「頭が凝り固まっている」人に起こっているのはこれと正反対の反応で、ネガティブなあるいは退屈している感情が起点となって学習機能は眠ったきり、創造性も限定されるという悪循環が起こっていると考えられます。

人は他人の役に立って感謝されたり、褒められたりするとポジティブな感情を感じますが、逆に、何をやっても当たり前と思われ、褒められることもなく毎日を過ごす人は、感情のトーンもネガティブで一貫しているでしょう。結果として、新しいアイデアも生み出せない自他ともに「つまらない人」になってしまいます。

何を言いたいかといいますと、社内から新しいアイデアが出てこないとお嘆きの社長がいらしたら、環境から見なおす必要があるかもしれないということです。たとえば、生産性が高い組織で使われている言語の種類を調べた調査からは、ポジティブな言葉とネガティブな言葉の比率が3:1以上であることがわかったといいます。使う言葉を変えるだけで効果が出るのであれば、お安いものです。

人は楽しいから笑うのではなく、笑うから楽しくなるのだ、とか、成功したから幸福になるのではなく、幸福だから成功するのだ、とか。あるいは俄かには信じがたいのですが、時間は過去から現在、未来へ流れるのではなく、未来から現在、過去に流れるのだ、とか。

従来私たちが当たり前と思っていた物事の順番を逆にしてみると、意外にそれが真実らしく感じます。会社が楽しいからポジティブな感情を抱くのではなく、ポジティブな感情を抱ける環境だから、創造的な仕事ができる結果、会社が楽しくなる。であれば、会社にとっても社員にとってもメリットは大きいはずです。

貴社はいまそういう会社になっているでしょうか。


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