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第48回 お客様のつぶやきは社長に届いていますか。

 先日、あるところで贈答用にと奮発して少し値の張る商品を買いました。国産で生産者もわかっていて、こだわりの商品であることがひしひしと伝わって来る包装の商品です。これをご高齢の方にプレゼントしたところ、冗談まじりに「書いてあることが難しすぎて私には理解できない」という返事が返ってきました。商品としての良さは認めるが、解説が難解すぎてよくわからないと。

 同じ商品を別のもう少し若い方にもプレゼントしたところ、やはり同じ反応が返ってきました。「商品として良いのだろうが、解説がよくわからない」と。

 商品が良いということは伝わっているので、まぁいいかという気もしますが、二人が同じように感じているということは、その店の発しているメッセージが難解すぎてよくわからない、のは真実のようです。

 どれどれと、もう一度説明文を読み返してみましたところ、お二人の言われる通りやはり難解。お客様の誤解を招かぬよう、そしてこだわりが伝わるように、渾身の力を込めて書かれたであろうそのメッセージが伝わってこないのです。

 よく専門分野の話を素人にするときは、専門用語を使わず誰にでもわかる平易な言葉を使わないと伝わらないと言いますが、同じことがここでも起こっていました。間違いがないよう正確に懇切ていねいに説明した結果、伝わらないという現象です。

 お客さんの目線で物事を捉え、伝えようとすることの大切さは今更言うまでもないのですが、ここで言いたいのは、「説明文が難解…」と言った小さなお客様のつぶやきが、きちんと社長や職場のリーダーの耳に入っているだろうか、ということです。

 仮に社員がその難解さに気づいたとしても、大方は輪を乱すことを望まず、郷に入れば郷に従って、難解であることを当たり前として受け入れる方を選びます。結果としてお客様目線の気づきは組織の体勢に流されて、うやむやになってしまうでしょう。

 説明文が難解くらいの話であれば大きな問題に発展することはありませんが、例えば「待ち時間が長過ぎる」とか「商品の包み方が雑だ」とかいった顧客満足に影響を与えるような、つぶやきであった場合はどうでしょうか。

お客様の小さな声に気づいたとしても一介の社員が会社の中の常識を変えるのは簡単ではありません。でも、一人だけ簡単に変えられる人がいます。それは社長です。あるいは決定権を持つ職場のリーダーです。

 顧客満足を本当に追求するのであれば、お客様の小さなつぶやきを現場の最前線でキャッチし、全体で共有できるような仕組みを作りたいものです。