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第46回 社員満足を高めると本当に業績が上がるのですか?

先日、とある社長と話をしていた時のこと。「社員が幸せになることと、会社の業績は本当に関係するのですか」と問われました。確かに「幸福な社員はそうでない社員と比べて生産性が3割、創造性が3倍上がる」という報告は広く知られるようになりました。しかしながら、「それはあくまでも調査対象に関してのみ見られた現象であって、場合によってはそうでないこともありうるのでは?」という主旨のご質問と受け取りました。

はい、その通りです。重要なのはどのように社員を幸せにするか、という点です。単に休日が多いからプライベートが充実するとか、昇進したからプライドが満たされたとか、そういう意味合いの幸せであれば、業績に影響を与えるというよりも、マイナスがゼロになってくらいの意味合いで、業績に貢献するモチベーション要因にはなりにくいと思われます。

では、どういう幸せであれば、モチベーションに結び付くのでしょうか。

それは個々の人の内的な志向に基づき仕事ができるという充実感を中心に、周囲のサポートが得られるとか、何を言っても大丈夫と感じられるとかいった環境の整備がもたらす安心感などから構成される幸せです。

仕事は苦しくなければならないとか、上の言うことには絶対従わなければならないとかいった過去の価値観は、各社横並びの現状を打破するうえで、あまり有効には働きません。もし今、経営が順調であったとしても、時代は確実に変わります。次の手を用意する必要を感じるのであれば、最後のフロンティアである社員の内面からちからを引き出す策を考えるべきでしょう。

昨年、地球上の8つの電波望遠鏡を連携して、世界で初めてブラックホールの撮影に成功したというニュースが話題になりました。私たちは科学の力を借りて自分たちの外の世界を素晴らしく良く知るようになりました。振り返って地球の内部をどのくらい知っているかというと、実はあまりよくわかっていないのだそうです。

同じように観察が容易な会社の外の世界についてはよく知っていても、会社の中にある組織や人材については、制度を整えるとか、社員満足度調査をしてみるとかいった表面的な手を打つのみにとどまりがちです。組織や個人の内面にもう一歩踏み込み、モチベーションの種を見つけて育てることができれば、業績に結び付く幸福感の実現へ踏み出すことができるはずです。