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第45回 社員旅行の宴会場で若手はなぜ浴衣を着ないのか

先日、とある企業の幹部と雑談をしていたときのこと。社員旅行で若手を含む全社員を温泉旅館に連れて行ったが、「ひと風呂浴びた後の宴会場に、若手社員が全員ジーパンをはいてきて驚いた」という話になりました。

温泉旅館の宴会場といえば、上の世代には浴衣が定番。そこにジーパンをはいてきて、しかも畳の上の座るとなると、窮屈きわまりないはず。その窮屈を押してジーパンを履いてくる心模様はどうなっているのかと。

会社におけるさまざまな場面で若者たちが見せる不可思議な行動に、上の世代はいろいろと想像を巡らせます。たとえば、「ひそかに会社に対する抵抗を示しているのではないか」とか「上の世代との会話を拒んでいるのではないか」とか。それらは当たっているかもしれませんし、まったく当たっていないのかもしれません。

彼らにとってみれば、ただ浴衣の着方がわからないだけかもしれませんし、そもそも「宴会には浴衣」という暗黙のドレスコードを知らないだけかもしれません。実際のところは、「本当のところ、どうなの?」と聞いてみないことにはわからないのです。

仮に、「宴会場には必ず浴衣を着てくるように」とお達しをだしたら、多くの若者たちはおとなしく、そして、ぎごちなく浴衣を着てくるでしょう。彼らにとっては、そこで抵抗を示すことに大きな意義はないからです。

こうした些細で悪意のないジェネレーションギャップを見つけたら、「最近の若者は…」と嘆く前に、そこにある価値観の違いを見つけてみてはいかがでしょうか。昼食を一緒に食べていても、スマホを取り出して何やら一生懸命チェックしている若者たちは、前の世代とどんな風に異なる価値観や世の中の認識の仕方をしているのか。

「それはルール違反」と決めつける前に、なぜ彼らがそういう行動をとって、そうすることでどういう穴埋めをしているのか、もし同じ穴埋めを別の手段でするとしたら、どんな選択肢が考えられるのか……を、やんわりと肯定感を漂わせて尋ねてみるのです。

新しいコミュニケーションのチャンネルが開けば成功です。