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第124回 売り手と買い手の関係が変わると、お金のいただき方が変わるという話し

先日、ある歌手のコンサートがオンラインで配信されるというので、時間をつくってアクセスしてみました。時間をつくって、というのは、ちょうど同じ時間に別のオンラインセミナーが開催されていたので、PCを2台並べて、かわるがわる聴くということをやってみたのです。

リアルの対面が難しくなった反面、それと同じコンテンツをオンラインで楽しめるようになったというのは、コロナ禍がもたらした副産物。しかも同時に2種類のコンテンツを見られるとなると、ありがたい限りです。

さて、そのオンラインのコンサートの件、平時のリアルなコンサートであれば数千円の入場料を払うべきところ、オンラインなので無料。それが奏功したのか数百人の聴衆がログインして、それぞれの場所でコンサートを堪能していたようです。

そして、最後の曲に差し掛かったところで、「ドネーションのお願い」が流れました。ドネーションとは寄付のこと。コンサートを配信するウエブページの下の方にリンクが貼ってあって、その先に進むと、好きな金額を支払うことができるというしつらえです。

物やサービスには値段がついていて、それを使用したり所有したりするために、指定された金額を支払うというのが普通の考え方です。購入する側が値切るということが若干あるかもしれませんが、まずは、商品・サービスの提供者がその価値を金額に換算して提示するというのが、常識的なお金のいただき方であったわけです。

ところが、まず、商品・サービスを提供して、それに対するお金は払ってもらってもいいし、払ってもらわなくてもいい、その金額も支払う側が決めてくれればいいというやり方が登場しているのです。

そういえば、過去にも、NPO団体が無料イベントを開催し、会場内でドネーションをお願いするという場面をいくつか見たことがありました。活動資金を得るのが目的で、決して利益を出そうということではなかったのでしょうが、お金のいただき方として新しさを感じたものでした。

こうなると、お金は商品やサービスの対価として支払うものではなく、商品やサービスを提供する人の志や活動のゴールやあり方自体に対して支払うものという主旨を帯びてきます。

新しい事業を始めるとか、社会課題の解決を仕事にしたいという相談を受けるたびに、どう稼ぐかという問題に頭を悩ませます。確立された既存の商品やサービスの改善や改良であれば、前例があるので、購入する側も何となく値ごろ感を理解しています。だから、まぁまぁやりやすい。

でも、まったく新しい商品やサービスであると、原価を積み上げ、妥当な利益をのせて値段をつけても、そうそう購入側が納得しません。多くの場合、売り手が高い金額をつけ、買い手が安い金額を期待します。

お金をもらうという問題は本当に奥が深い。だからサブスクとかクラウドファンディングとか新しいお金のいただき方が登場して、今までであればPR不足で日の目を見なかった商品・サービスがきちんと欲しい人の手に届くようになったりします。

サブスクであれば、売り手と買い手が長い関係をつくることが前提であり、クラウドファンディングであれば、買い手は売り手の想いや発想に共感することが前提です。ドネーションもそうでしょう。コロナ禍で応援消費という言葉も生まれましたが、買い手が売り手を応援するという関係が、対価を支払うという発想から一歩抜け出たところでお金の使い方を生み出しています。

こう考えると、新しいマネタイズの方法は、売り手と買い手の新しい関係をつくるところから生まれてくるのかもしれません。

新しい関係をどのように作り、どのようにお金をもらうか。ぜひ一緒に考えましょう。


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