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第113回 買わないお客様の活用法

新商品を出すときに「お試し価格」とか「キャンペーン期間中」などと名前をつけて、通常価格よりも安く売りだすときがあります。原価がかからない商品やサービスの場合は、無料にしてしまうこともあるでしょう。

売る側の狙いは、購入のハードルを下げて、商品を気に入ってもらい、その後、正規料金で継続購買に移行してもらうこと。なのですが、そうは問屋が卸さないケースも多々見られます。

先日お会いした経営者の方もそうでした。お試し価格で1回だけのサービス提供をしてみたが、正規価格になると全く来てくれなくなる。「うちの価格が高すぎるのでしょうか?」「正規価格を安くした方が良いのでしょうか?」というのです。

これ、あるある、です。格安価格につられて来る客はいつまでも格安価格を期待し、正規の価格で購入する客に移行しない。

いろいろな会社がいろいろな対策を打っています。

たとえば健康食品の通販で、1回目の注文は500円、2回目以降は正規の料金になるが、1回目の注文の前にクレジットカードの登録をさせる。もちろん「1回目で商品が気に入らなければ、いつでも2回目以降の注文をキャンセルできます」との注意書き付き。ところが、私のようなうっかりものの客は、1回目で商品が気に入らなくてもキャンセルを忘れて、2回、3回と購入をする。

サブスクリプションでも同じようなことが起こります。1回ずつの支払額が大きくないので、サービスを利用していなくてもなんとなく継続してしまう。会社にとっては良い客、ですが、客にとってみれば有難くない話です。

こう見てくると、売り手は何とかして高く売りたい、買い手はできるだけ安く手に入れたいという攻防戦を繰り広げているように見えます。この、ある意味、対立した関係を超えることはできないのでしょうか。

SDGsの重要なコンセプトに「誰も取り残さない」があります。この言葉、国会の審議でも使われ、市民権を得てきたのが分かります。SDGs絡みで言えば、もうひとつ、地球や海の豊かさを維持するためにリサイクルやリユースが積極的に推奨されています。多くの会社が「未利用資源」を発掘し、その活用に取り組んでいる。

そういう土台に立ってみると、「買わない客」を「未利用資源」として考え、その活用を検討するということができないかと妄想が広がるわけです。

たとえば、お金のない学生に皿洗いをしてもらって食事代をタダにする飲食店があります。商品・サービスの対価の代わりに労働を提供してもらうという考え方です。

オンラインショッピングで「500円引き」にする代わりに、購入後のコメントを書いてもらうというのもよくある手です。客は割引と引き換えにコメントを提供する。

YouTubeの広告も似たようなところがあって、閲覧者は好きなコンテンツを無料で見られる代わりに、広告を見せられ、その再生回数によってコンテンツの制作者にお金が入る。情報の発信者と受信者の間に、それらとは全く関係のない広告のスポンサーが介在して、3者ともにメリットがあるWin-Win-Winの関係が生まれています。

袖すり合うも他生の縁ではありませんが、たとえ「買わない客」であっても一度は貴社と接点を持った客です。買わないのであれば、貴社と関わることで得をするような関係を作れないでしょうか。たとえば某コーヒーメーカーのアンバサダーのように、他の人に貴社の商品を勧める役割を果たしてもらう。そして少しの得をして嬉しく感じてもらう。

関わる人との関係を少しずらして、向き合う関係から同じ方向を見る関係にしてみると、新しいビジネスのやり方が見えてきます。ビジネスはクリエイティブです。ぜひ一緒に考えましょう。


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