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第21回 自分に矢印を向ける

パイプオルガン

先日、とある社長と話をしていた時のこと。「会社で何か問題が起こったら、社員のせいだという前に、自分に矢印に向けてみる。そうすると、だいたいの問題は解決する」という言葉が出てきました。このことば、システム思考という考え方と全く同じことが表現されていて、興味深く、そして深く共感しつつ受け止めました。

組織の中で何か問題が起こった時、誰かに責任を負わせて、自分は茅の外にいる、よくあることです。でもどんな問題も自分がその責任の一端を担っている、と考えるのがシステム思考の立ち位置です。

たとえば一人の社員が全くチームに溶け込もうとせず、仕事がうまく回っていかないとしたら。その社員の能力が足りない、あるいは人間性が低いといった理由でその問題を片付けてしまうのは簡単です。でもその人がチームに溶け込めないのには、たとえば過去にひどい失敗をしたことがきっかけでチームが自分を受け入れてくれないと思っていることが原因かもしれません。もしかしたら、自分に自信がないために、それを隠すために攻撃的態度をとっているかもしれません。そして、そんな風な振る舞いの原因をたどってみると、チームメンバーや社長の側の何気ない言葉や態度だったりするのです。

最初の話に戻ると、社員が何か問題を起こしたとき、「お前が悪い」という前に、「きみが問題を起こすことを私は未然に防げなかっただろうか」と自問してみる。その自問から問題を解く糸口が生まれてくるわけです。

他責では解けない組織の問題が、自責からの発想で解けてくる。最近よく話題に上る国連のSDGs(持続可能な開発目標)においても同じことが言われています。どんな問題を解くのも、自分がその問題の一端を担っているという「私からの発想」だと。