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第26回 経営理念の解釈

空と漁港

経営者は誰しもなんらかの想いを抱いて事業を行っています。その想いが「経営理念」や「社是社訓」となって語り継がれます。ところがある時から「経営理念」や「社是社訓」が壁に貼られた言葉以上のものにならなくなることがあります。理念の形骸化です。

これとは逆に理念の解釈自体に幅が出てきてしまうことがあります。各自が自分の都合の良いように解釈し、自己流の解釈に基づいて自己の行動を正当化する、というものです。先日、伺った企業でもこの現象が起こっていました。皆が「自分は理念に則った仕事をしている」と主張しているのだけれど、顧客に対する姿勢も態度も、物事を行うときの判断もてんでばらばら、と。

いずれのケースも、かつては熱い想いが込められていた経営理念の文言から魂が抜かれた状態と言えます。その理念を打ち立てた経営者が理念通りの行動をし、その背中を見て社員が理念の心を学んでいる間は問題ありません。言葉で表現された理念を裏付ける行動や判断基準が目の前で展開されれば、経営理念はリアルな感触を伴って社員に伝わります。問題は、経営者の代が替わったりして、理念と表裏一体であるべき実践が企業の中になくなってしまった時です。

こういうときの処方箋として有効なのは、たとえば、経営理念の魂を社員一人ひとりの中に蘇らせることです。あるいは新たな経営理念を確たる根拠を持って打ち立て、その浸透策を展開することです。いずれも経営理念は社員の判断基準のレベルにまで浸透して初めてその効果を発揮するということを忘れてはいけません。社長の想いを言葉にして対外発信できるようになった段階は、まだ道半ばです。

社員の幸福度が高く、会社の業績も優れた企業として有名なある会社の社長は、「金太郎あめのように会社の理念について皆が同じことを言うのが理想」と言っていました。そのためには、一人ひとりの社員の中に経営理念に共鳴する要素を見つけ、そこにアンカーを打つという方法が役に立ちます。