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第35回 盲点にこそブレークスルーの鍵がある

駅前商店街の衰退ぶりが全国的に話題になって久しいのですが、先日、ある商店街から呼ばれて、相談に乗る機会がありました。いわく「商店街の店が歯抜けになってしまうのは、客や後継者を惹き付ける魅力不足の問題が大きい。でも新規に出店したいという人は結構いるので、空き店舗を大家が貸してくれれば、商店街の店は大方埋まる」と。でも、それがままならない本当の理由は、「大家さんが店を貸したくないから」だというのです。

昔ながらの商店街の店は、持ち主一家がくつろぐ家族団らんの居間と引き戸一枚隔てるだけのことも多く、そんなスペースを見ず知らずの第三者に貸し出すのには若干心のハードルがあります。一歩譲って、居間と店を隔てる壁を作り、居住スペースと全く切り離してしまうという手もありますが、それにしてもお金がかかる話で、そうまでして貸さなくても食っていける、というのが本音であったりします。

素人がみると、商店街の店が歯抜けなのは、商店街に魅力がなくて新規出店者がいないからと安易に理解しがちなわけですが、問題の本質は別のところにあったわけです。

一般論でいえば「こうであるはず」とか、「これまでの経験を踏まえるとこの現象はこれが原因である」といった『思い込み』を私たちはよくしています。その『思い込み』に基づいて、物事を判断したり、意思決定したりすると、解決したはずの問題が解決されないばかりか、さらに悪い状況へと発展することがあったりもします。

人には必ず「盲点」があります。あるいは、これはこうであるといった強固な思い込みで、直面する物事を処理しがちです。それが日々の情報処理を容易にしているのは確かですが、逆に、問題の本質を見失う要因になっていることがあります。

商店街が寂れていくのは、商店街に客を惹き付けるだけの魅力がないからではなく、大家さんが店を貸したくないからなのです。この問題を解決しようとしたら、大家さんの気持ちが変わるような手を打つべきでしょう。商店街の魅力づくりをいくら続けていても物事は一向に良くなっていきません。

盲点に光を当て、問題の本質を見極めていく有効な手段は、複数の多様な目を持つことです。商店街に関してさほどの知識も持ち合わせていない人や先入観のない人なども取り混ぜて、様々な視点から問題を見つめていくと、「盲点」の存在に気付くことができます。気付くことができれば、適切な手を打つことができます。

社内にいつまでも解決できない問題があったら、関係者全員が「盲点」にはまり込んでいる可能性があります。顧客や第三者や全く異なる部署のスタッフなど異なる視点を持つ人を交えて、同じ問題に向き合ってみる。すると、意外なところに突破口を発見することができます。それは意図せずして避けてきた解決策だったりするのですが、結局一番痛いところに手をいれることが、解決への近道だったりするわけです。