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第17回 気づく能力と共感力

林の中の道と光

「気づく能力を高めるには、どうすればいいんでしょうか?」。先日、デザイン思考について説明していたときに出てきた質問です。

デザイン思考は、今までの延長線上ではなく、顧客の気持ちの深いところにあるニーズに気づいて、そこから新たな商品・サービスの仮説をつくり、さまざまな視点を取り入れて検証していく手法。その起点にあるのは、「たぶん、顧客はこのあたりに不満や問題をもっているにちがいない」という、なんとなく感じられる気づきです。

気づくために最も大切なのは相手に向ける好奇心でしょう。では、相手に向ける好奇心を高めるにはどうすれば良いのか。

一つの方法として「相手に共感する」ことがあるのではないかと思います。

ハーバードビジネスレビュー編集部による書籍『共感力』(ダイヤモンド社)によると、「共感」には3つのタイプがあるといいます。ひとつは認知的共感、他者の視点を理解する力です。2つ目が情動的共感、他者の感情を汲み取る力、そして3つ目が共感的関心、相手が自分に何を求めているかを察知する力、です。

このうち2つ目の「情動的共感」が気づく能力を発動するエンジンのひとつになるのではと考えています。同書によると、「興味深い話を聞いていると、わたしたちの脳は相手と同じ活動パターンを示す」とのこと。特に相手の感情面にフォーカスした話を聞き出すときに、同じような感情が自分のなかに生じて、相手の気持ちの深いところにあるものが自分のなかに再現される、といったようなことから、気づきが生まれてくるのではと推測しています。

「デザイン思考」と並び、マーケティング3.0の方法論として注目される「行動観察」についても同様です。また「デザイン思考」の重要なパートでもある「インタビュー」に関しても同じです。現象や言動の背景にある、人や顧客の感情の動き、喜怒哀楽、不安や問題意識に気づき、新たな商品・サービスのアイデアを生み出すためには、「共感力」というスキルが有効なのです。