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第25回 ルールに疑問を持つ

大理石に映った室内灯

日本人は真面目なのか、たいていの人は与えられたルールに疑問を持つことなく素直に受け入れて従います。たとえば小売店であれば、ポイントカード。ドラッグストアでも電気店でも食品の販売店でもほとんどのお店がポイントカードを発行して、顧客の個人情報を集めたり、販売促進策として使おうとしています。でも、そのポイントカード、本当にお客さまから喜ばれているでしょうか。カード発行時に集めた個人情報は有効に活かされているでしょうか。

与えられたルールは得てしてスタッフの思考停止を招きます。やるべきことの一つとしてインプットされ、その必要性を検討する必要性すら感じません。お客様のお財布の中はいろいろなお店のポイントカードでいっぱいで、もう持って歩くのをやめようというお客さんが増えているにも関わらず、です。

ポイントカードは一例ですが、こんな風に、昔からあるからという理由で、今、そのルールが必要かどうかということをもう一度吟味することなく従い続けているケース、貴社にもあるのではないでしょうか。そういった取り決めが無駄に業務を増やし、残業を増やしている可能性もあります。

以前私が勤めていた会社では、自分で細かなルールを作ってしまう女性がいました。たとえば何か文房具を買ったら必ず通し番号を印字したラベルを貼り、指定した場所に並べるといった具合のルールです。情報セキュリティや5Sの観点からこうした手続きが必要な場合もありますが、そうでないものの場合も同じルールを適用し、後輩にも教えていた。後輩は必要性に薄々疑問を感じながら、逆らうことができずに複雑な手続きを踏襲していました。

仕事を囲い込むケースもおなじような悪影響が生まれます。仕事の俗人化は、明らかに働き方改革の敵です。囲い込まれた仕事の中にどんな非効率や無駄な仕事が潜んでいるかは、誰にもわかりません。

ただしここで責めるべきは、無駄なルールを作る人や仕事を囲い込む社員ではありません。必要なのは、業績向上や顧客満足の観点から、社内のルールや一人ひとりの仕事が環境変化に応じて最適化されているかどうかを検証する仕組みです。そしてこの仕組みの背景には、ルールや仕事の必要性が変化しても、一人ひとりの社員には居場所があるという暗黙の了解が必要です。これがないと、人は自分の存在が脅かされるという恐れによって抵抗行動を起こします。

一人ひとりが全体最適の視点を持つことができ、しかも、会社の中で自分の位置づけを明確にし、安心して居場所が確保できるとしたら。働き方改革の新しいアプローチが可能になります。