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第15回 マーケティングとモチベーション

都会の小川の水辺

前回「モチベーション3.0」について書きましたが、今回は「マーケティング3.0」のお話しです。

マーケティングの古典的なフレームワークは「ターゲット+4P(製品・価格・チャネル・プロモーション)」で表され、「マーケティング1.0」と呼ばれます。これに対して、ターゲットをさらに詳細に区分し、それぞれのターゲットに合わせた消費者視点の商品・サービス提供を目指すのが「マーケティング2.0 」。ここからさらに進化し、消費者を社会に位置付けられた存在としてとらえ、その商品・サービスを使うとき以外の時間・場面を含めた全体の「人」をターゲットとするのが「マーケティング3.0」の考え方です。

そもそも人は複雑な存在のため、それに対する関わり方を検討する際には、ある一面だけ切り取って対処したほうが、わかりやすく効率的です。しかもその側面での効果は高いと思われます。ところが、商品やサービスのレベルが同質化し、もう一歩の差別化が必要となると、一面だけ切り取った対処法では如何ともし難くなります。

たとえば、ハミガキコの差別化を考えるときに、歯の健康や白さや歯磨きのシーンを検討するだけでは足らず、歯磨きに始まる1日全体を視野に入れて、歯磨きという行為に影響を与える行動・思考のすべてを観察や検討の遡上に乗せる必要が出てくるわけです。

「モチベーション3.0」も「マーケティング3.0 」も、対象となる「人」をある一定の役割を演じているときだけでなく、その人の生活や人生までも包含した「全存在」として認識し、それに対する関わり方を検討するという点で同じベクトルにあります。

マーケティングのバージョンが上がるごとに、それを行う企業側の人材の負荷は高くなります。与えられた分析枠にはめ込む機械的な作業から、相手の個別のニーズを見定めたきめ細かな対応へと移行し、さらには、相手の連続的な行動からそこに埋もれている潜在的なニーズを探り出す感性、あるいは気づく能力が求められるようになります。

感性あるいは気づく能力を発動するのは、モチベーションです。それも好奇心などの内発的な動機付けです。まさにこれが「モチベーション3.0」、すなわち自らの目的意識やミッションに則った仕事のやり方を支える心の働きです。

こうしてみると「マーケティング3.0」は「モチベーション3.0」に支えられていることがわかります。逆に言えば、次の新しい付加価値作りに貢献する「マーケティング3.0」に取り組もうと思ったら、まず「モチベーション3.0」の領域に従業員のマインドを持ち上げる必要があるということになります。