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第208回 違和感が社会を変える、をはじめよう。

思わず目を停めてしまったのが、先日の日経新聞に掲載されていた全面広告。「小さな違和感が、社会を変える」というタイトルで、あるあると思うような「違和感」のつぶやきがいくつも並んでいます。

たとえば、

「昇進したいならゴルフやりなよ」って言われる。出世と趣味、関係ある?

とか、

若い女性起業家が成功すると「バックに誰かついてる」と言われる。別にいませんけど。

とか。

社会の中で日々感じるささいな違和感を、多くの大人は口から出さずに自分の中にとどめておくわけですが、いったん、言葉にしてみると、意外にも他の人から同意を得たりして驚いた経験、皆さんにもあるのではないでしょうか。

それは、新人の時に教えられたことの不便さだったり、会社のルールが時代遅れになっていることだったり、上司の命令の理不尽さだったりして、たいていは世の中のネガティブな面に触れることが多い。だからこそ、口に出さずに、自分のなかにひっそりと仕舞っておくか、偉い人が参加していない飲み会のグチ大会で盛り上がるか、が、これまでのパターンでありました。

が、この新聞広告は、「そういった違和感こそが、世の中を変えるきっかけになる!」と高らかに謳い上げているわけです。

ただそこに書かれている「違和感」の発露を読み返して気づきます。どうも、これらの言葉は私とは異なる世代から発せられているものらしい。たとえば「「紅一点」って死語だと思ってたけど、うちの役員会議がそれだった」などは、「役員」の視点で読むと、ちょっと警戒感が走ります。「おいおい、無邪気なふりして、脇から上司を刺すなよ」という感じ。

その一方で「男性上司と同じように厳しくすると、女性上司はより冷たい印象を持たれる」などは、「そうよね、よくわかってるじゃん」と納得する具合。

ことほどさように、他人の違和感に触れることで、自分の中で言語化されていなかった違和感や、違和感を起こしている当事者であることや、言葉を交わしたこともない他人との共通点に気づいたりして、これはこれで面白い発見がある、ということにも気づいたわけです。

誰かが感じた違和感を発端に、社会を良い方向に変えていく。この広告の意図はそこにあると思います。が、違和感を口に出すということの効能は、また別のところにあるとも感じます。

思い返せば15年近く前、「気づきを起点にイノベーションを起こすダイナミックBSC」という文章を書いて、仲間うちで出版した書籍に載せてもらったことがありました。当時はやり始めたBSC(バランススコアカード)という事業戦略策定のツールを人材育成に使おうと考えたもので、日々の業務で気づく顧客の変化などを記録して事業に役立てようとしたものです。

ここで言う「気づき」が曖昧だったので、その後、発展を見なかったのですが、これが「違和感」という表現であれば、また違ったのかなという気もしてきました。「気づき」というと、ちょっと優等生的なイメージが漂ってきますが、「違和感」というと誰もが感じるネガティブな感情やもやもや感に光を当てていて「掘り起こしたく」なる気持ちも湧いてきます。

といっても、何事も「言い方」はあります。違和感を攻撃的に表出すれば、真意が伝わる前に撃ち落されるか、相手に逃げられます。ここはコーチングやマナー講座が教えるテクニックを使うべきでしょう。たとえば、相手に耳の痛いことを伝えるときは、ポジティブーネガティブーポジティブのサンドイッチ方式を使うとか、ストレートに本題に入る前に枕ことばや時候のあいさつで場を温めるとか。怒りが沸き上がってきたら6秒待つとか。

こうしたマインドセットが整えば、違和感の表出が生産的な効果を生むはずです。会社の中でこうした仕組みづくりをしていくことも大切です。また新しいビジネスのネタを見つけるのにも役立ちそうです。ぜひ一緒に考えましょう。


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