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第207回 あの組織で一体何が起こっていたのか。

もうどうしようもなく気になって仕方がないのは、先日起こってしまった痛ましい事故のお話し。詳細についてあれこれ言える立場ではないのですが、どうして、あそこまでスタッフの気持ちが崩れてしまったのか。それを想像すると、切ない気持ちになります。

本来、プロとしてやるべきチェックが二重にも三重にも取りこぼされていたということ。たぶん今回明るみに出たのは氷山の一角で、日常的にあのようなことが繰り返されていたと想像されます。たぶん、探せば、きちんとマニュアルなどもあったはずで、それが形骸化してしまったその背景には何があったのか。

ここから先は、この事故とは関係なく、ただの私の妄想ですが、こういったことの起こる組織は、構成メンバーから見ると「面白く」なかった組織である可能性が高い。その業界の専門の組織として体裁を整えることはできたけれど、その中身には、使命感とかプロ意識とかいうものがなかったのではないかと思います。

朱に交われば赤くなるとはよく言ったもので、こういう組織に入ってしまうと、なぜか同質化していきます。イヤならやめればいいけれど、人は易き方に流れるので、「ま、いっか」となってしまう。人間関係が悪ければ辞める理由になるかもしれないけれど、何となくなれ合いで仕事ができる職場環境であったりすると、さして辞める動機も浮かんでこない。

そんな感じで、だらだらと毎日が過ぎていって、何もなければ、そのまま月日がたっていく。そんな中で天の裁きのように大きなアクシデントが起こり、それまでのやり方にリセットを掛けざるを得なくなる。

できれば、大きなアクシデントなど起こらないうちに、自分で気づいて軌道修正するべきなのです。そのきっかけは多分何度もあったはずで、でも、スルーした。誰かが気づいたはずで、もしかしたら声を上げたかもしれないのに、結局何も起こらなかった。

以前にもファーストフードやらコンビニのアルバイト店員が衛生的にまずいところに寝転んで写真を撮り、SNSにアップしただのという、とんでもない事件がありました。組織の中がこういう風に崩れてしまう根源は、どこにあるのでしょうか。

人手不足で採用する人材のレベルを下げざるを得ないとか、教育がなってないとか、モラルが下がっているとかいろいろと原因は考えられますが、一番根底には、その人が生きる場所になっていないことがあると思います。

その人が生きるとは、会社の考え方や方向性のなかでその人の活躍する場があるとか、一緒に働いている人と強みを活かしたり弱みを補い合ったりして働いているとか、自分が共感できる理念があるとかいうことで…と書き連ねて、やっぱりこれは理想論だよな、と思い直しました。

そして、思ったのは、大切にされていないのだろうな、ということです。上に立つ人は組織の利益を考えて、個々の人のやりがいなどを後回しにしてしまいがちです。これは優先順位として当然のことで、特に会社は営利組織だから、利益を出すことを脇に置いておくのは無理な話し。でも、人はやっぱり愛がほしいのですね。大切にされているという実感が欲しい。それが根底にあったうえで、活躍の場があるとか、共感できる理念があるとかいうキレイゴトが並ばないとちょっと無理があるわけです。

道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である。

有名な渋沢栄一さんの言葉ですが、こと人に関して言えば、「愛なき組織は砂漠である」と私は思います。関係性が壊れて、働く動機が縮退し、最低限の体裁を整えるだけの組織になってしまうことの悪影響は計り知れません。そうならないためにどうするか。ぜひ一緒に考えましょう。


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