東京事務所

東京都港区南青山二丁目2番15号
ウィン青山1214号

TEL : 03-6271-5826

第205回 プロ意識と親近感の狭間の顧客満足の件

先日、同年代の親しい友人が半ば諦めたように話し始めました。某サイトで見つけた美容院に行った時の話。いわく「カットはうまかった。こちらの適当な説明をうまく解釈して上手に切ってくれた。他の美容師よりは上手い…」といった褒め言葉の後に、ボソッと「でも20歳も年下のくせにタメ口をきくのよね」と。

彼女にしてみるとそれがどうにも気に食わなかったらしく、リピートしようかどうしようか迷っているとのこと。細かな話は忘れましたが、とにかくタメ口叩かれたのが、どうにも不満のよう。「その美容師さん、自分がプロだということを言いたくて、ちょっと偉そうな口きいたんじゃないの?」というと、「それは、わかる。でも、タメ口はダメ」と。

多分、彼女が実年齢より相当若く見えたんじゃないかとも思うのですが、(当世、美容院でも客はマスクをしてますから、年齢なんかさっぱりわからない)、それでもキャリアを重ねてきた人の目からすると、相当年下の方が、たとえその分野でのプロであろうとも、タメ口を叩かれるのは絶対N Gであるらしい。

ここでタメ口を叩いたという美容師さんの心の中を覗いてみると、微妙なバランスが見えてきます。プロとしての自信は見せたい。でも、心の距離を縮めるために親近感も醸し出したい。なにせ、某サイト経由のお客さんはキャンペーン価格のお試し来店ですから、リピートしてもらわないと利益にならない。だから相手の情報をもっと引き出してリピートを促す声がけをしたいわけです。で、お客の心のバリアを下げるために、タメ口になったと推測されます。

ところで、タメ口問題についてネット検索してみると若干古い記事ですが、「若手社員の非常識ベスト3」として、その筆頭に「タメ口で話す」が出てきます。若手社員がタメ口で話す理由は「親近感を表したいため」との解説付き。

しかしながら、タメ口ではない言葉、すなわち敬語も使い慣れなければ咄嗟に口から出てきません。

で、この記事では、対処法として「上司や先輩が実践的に指導していくことが大切」つまり、きちんと、その場に応じた敬語を教え、タメ口叩いたら「それはN G」ということを教えるべき、と言っているわけです。

上司や先輩も大変です。敬語の使い方など社会人の常識として身につけているべきと思いきや、それも会社の責任の範疇に入っているらしいのです。

しかしながら、若手がタメ口きいたからといって、いちいち指摘して嫌われるのも、気が進みません。「この先、困るのはお前なのに、なんでこっちが嫌われ役をやらなきゃいけないんだよ」と思うのも当然。

では、どうするか。方法は2つ。一つは古典的な「背中を見せる方法」。

こちらが若手社員に敬語を使うのです。会話のデフォルトを敬語にして、慣れていただくというのが一つ。

もう一つは最近よく言うフィードバックです。先述の「指摘する」と同じですが、フィードバックにしても指摘するにしても、感情を交えると逆効果。淡々と事実のみを指摘して、社会的場における敬語の意義について語るわけです。

冒頭の美容院の話しにもどると、もしかしたら、タメ口をきく美容師さんの方が、カリスマ性が漂って顧客獲得に有利なのかもしれません。だとしたら私の友人はその美容師さんの顧客対象に入っていなかったということですから、リピートしなくても、まあ当然と言えます。

でも、一人でも多く、世代やキャリアに関わらずお客さんが欲しいのであれば、個別のニーズに合わせた対応というものも必要になってきます。つまりは、美容師としてのプロ意識を見せつつ、親近感を漂わせる方法は、お客さんによっては「タメ口」ではないことも在りうるということを知っていなければいけないということです。

一番難しいのは、不満足な顧客の不満足要因を探ること。その次に難しいのは、耳が痛い話を冷静に聞くことだと思います。感情を交えずに、淡々と。私とて他人事ではなく、日々修行ですが、こういった嫌なことに向き合えるかどうかが、勝負を分けたりすると感じます。


弊社主催セミナーリニュアル中、秋ごろ再開予定です。

個別コンサルティングのご予約が当サイトからできるようになりました(PayPal支払い)。ご利用ください。

※社員満足と顧客満足を循環させるES-CSチェーンについてのコラムを配信しています。ぜひご登録ください。