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第203回 新入社員意識調査と本音を語れる世の中について

毎年この時期になると発表される「新入社員意識調査」、久しぶりに最新の2022年版を見る機会があり、時代の変化にびっくりしました。いくつかある調査結果が同じ傾向を示しているのですが、その中の一つリクルートマネジメントソリューションズの報告では、新入社員意識として顕著に現れているのが「関係性の重視」の要素とされています。

もちろん「仕事に必要なスキルや知識を身につける」というキャリア志向は最も強く現れてはいます。と同時に「周囲の顧客や同僚と良好な関係を築くこと」や「元気でいきいきと働き続けること」を重視する新入社員が増えているとのこと。

本音を言えばそうだよね、と思いました。職場における「心理的安全性」、つまり、その場にいて脅威を感じるとか、ストレスを感じるとかなく、伸び伸びとありのままの自分でいられる環境が、仕事の成果を引き出すうえでとても大切、ということも、多くの人の共通認識になってきました。そういう背景があるからこそ、新入社員たちは、職場の人間関係や、自分のメンタルの状態を良好に保つ環境で働きたい!ということを堂々と口にできるようになったとも感じられます。

ひと世代もふた世代も前の「新入社員」たちとはだいぶ異なる様相です。たしか、自分の個性が伸ばせるとか、自己実現欲求がかなえられるとかいう意識が強い世代もありました。でも、考えてみると、そういう人であっても、本音では、ギスギスした人間関係のなかで消耗しながら働くよりも、心地よい環境で伸び伸びと働けた方がいいと考えるはず。

つまりは、社会や組織の方が、社員の能力を引き出すには、まず良い環境を整えるのが第一、と考え始めたことで、若い人たちが、自分たちの欲求を素直に表現し始めたとも言えます。

ひと世代もふた世代も前の人たちは「自己実現」の病にかかっていて、「あなたのやりたいことは何か」という問いにきちんと答えるべく努力をしたものでした。少なくとも私はそうでした。

ところが、今は「人生でやりたいことはない、のが普通」(日経ビジネス)と堂々と流布されています。「自己実現欲求など、本当はないのでは?」と、欲求5段階説を唱えられたマズローさんが真っ青になるようなことまで言われかねない状況です。しかし、これも、無理して「やりたいことを見つけよう」と何度もトライしてきた人には朗報かもしれません。

この日経ビジネスの記事は「人生でやりたいことがある」ことが主観的幸福度にどう影響をするかを調査した結果に触れています。いわく「やりたいことがあるから主観的幸福度が劇的に上がるかというと、そうではなく、むしろ、やりたいことがなくても幸せに暮らすことは十分可能といえる」。

さらには、「「やりたいことがない」と思い悩むよりも、目の前の仕事に真摯に取り組み、未来は明るいと信じて家族を大切に思って暮らすほうが幸せになれる、ということをデータは示している。」ということなのです。

冒頭の調査では、もう一つ気になる結果が示されています。その部分を引用すると、

  • 「失敗を恐れずにどんどん挑戦すること」が過去最低
  • 「何があってもあきらめずにやりきること」が過去最低(10年前と比較し9.4ポイントDOWNで13.9%)。
  • 「会社の文化・風土を尊重すること」が過去最低。

いやはや、な感じです。普段、創業者やベンチャー企業の人たちに触れる機会が多い私としては、これらの人たちと正反対のマインドセットを示す調査結果を見て「日本人、大丈夫?」という気分にもなります。

ただ、別の調査によると、若年層ほど兼業・副業に取り組む割合が高いという報告もあって、あながち仕事に対して全く情熱を失っているわけではないこともわかります。つまり、多分は、自分のペースで自分の能力に見合った仕事をやり、会社にロイヤリティを尽くすよりも自分のキャリアを追求したいというあたりが本音なのではと推測します。

こうした人たちを戦力にしていかなければならない企業側には、従来にも増して知恵が必要です。

ではどうするか? 社員の成長と会社の成長を表裏で考えられるような一貫性のある戦略が必要になっているのではと思います。その必要性を社員に対して説得し、その理想を具現化できるような手を打っていくことです。弊社はここに力を入れていきます。


弊社主催セミナーリニュアル中、秋ごろ再開予定です。

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