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第202回 ブレーキとアクセルを同時に踏んでしまう人のジレンマ脱出法

先日、知り合いのコンサルに聞いたある経営者のお話。このままではいけないと思いつつ新しいことを考えようとするのだけれど、一向にいいアイデアが浮かばない。それで助けてくれそうな人に声をかけてアドバイスを求めている。で、私の知り合いのところにもアドバイスを求めてきたので、いろいろとアイデアを出してみたのだが、一向に話が進まない。

というのも、大方のことに対して、できない理由をまず挙げてくるわけです。「それはできない」「やったことがない」「考えにくい」などなど。

「でも、現状のままではダメなんですよね?」と尋ねると「何とかしなければいけない」とお答えになるそう。

経営者の方だけでなく、誰にもよくある話です。何か新しいことをやらなければいけないと思っているけれど、リスクのほうが先に頭に浮かんで、「できない、やれない理由」をつらつらと語り始める。でも、何かしないといけない。というわけで、いろいろな人に意見やアドバイスを求めて、自分が納得できるアイデアを見つけ出そうとされます。

ところが、物事は一寸も動かない。アドバイスした側は徒労感にさいなまれ、「この人、何言ってもダメだな」という印象を持ち、当の本人は、自分が納得するようなアドバイスが一向に差し向けられないので、また別の人にアドバイスを求めるという具合。多分、そんなことをやっているうちに、環境が好転して、何もしなくてもよい方向に向かうようになるのではと淡い期待を抱いておられるようにも見えます。

まるでアクセルとブレーキを同時に踏んでいるような状態です。理性はアクセルを踏もうとしているのですが、心の奥底ではブレーキを踏んでいる。それもブレーキを踏む力のほうが若干強くて、「3歩進んで2歩下がる」どころか「1歩進んで3歩下がる」がごとき状態です。

こういうときは、外に向かって解決策を見つけようとするよりも、自分の心の中で「何がブレーキを踏んでいるか」を考えたほうが解決の糸口が見つかりやすい。

「失敗するのが怖い」「大きく打って出て、目立つのがイヤだ」「大枚、ドブに捨てるかもしれない」「やった挙句、後戻りできなくなったら困る」など。心の奥底にある恐怖心、できれば見たくない自分の本音みたいなものを見つけ出してみたほうがよさそうです。

長者番付に毎年顔を出す稀代の大金持ち、斎藤一人さんが、「一番苦手で、やりたくないことをやるのが、現状打破に最も効果的」という主旨の話をされていたのを思い出しました。心の中の深いところで一番イヤだと思っていること、一番避けたいと思っていることを見つけ出して、そこに手をつけるのが、現状打破の近道だというわけです。

先の経営者の方の心の奥底に眠る「一番イヤなこと」が何なのかはよくわかりません。大方失敗に対する極度の恐怖心ではないかと想像します。大勢の社員の人生を背負っている責任を思えば、無理からぬことと思います。それは責任感の裏返しなのかもしれません。

でも、現状が芳しくなくて、新しい方向を見つけられず、ずるずると衰退していくのも「一番イヤなこと」に違いありません。どちらに転んでも「イヤ」なのです。どちらの「イヤ」がより強く心に迫るかというと、肉薄した「イヤ」の方。つまりは一歩踏み出して失敗することへの恐怖心が先立つということではないかと思います。

だからこそ、ブレーキとアクセルを同時に踏みながら、ブレーキの方に若干強く力がかかるという状況が現れます。そんな時どうすればよいのでしょうか。

やはりビジョンというかゴールを明確にしてみることが糸口になるのではと思います。それも経営者としてこうあるべきという考え方ではなく、個人的に自分がこうなると嬉しいという感情が伴うようなビジョンとかゴールとかがいい。

行く方向が定まらないのに、方法論ばかり探し求めているから、「この方法は気に入らない」「こちらの手段はうちでは無理」となってしまうのです。だから、まずは自分にとって魅力的なゴールを決める。そしてそのためにとれる手段を考える。そして、その実現のための手段がどうにも気に入らないものであっても、とにかく手を付けてみることです。手を付けてみれば意外に気に入るかもしれないし、別の道が見えてくる可能性も高い。

このポジティブな循環にのれるかどうかは、心の焦点をどこに当てるかにかかっています。さて、あなたはどちらに焦点を当てますか?


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