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第201回 アイデアが相手に伝わらないときの解決策

先日、熱い思いをもって新規事業を考えておられる方にお会いして、そのお話を聞く機会がありました。社会に役立つことをやりたいとずっと考え続けてきたアイデアとのこと。ところが、話を聞くほどに、こちらの頭の中は混乱するばかり。随所のツジツマが合っていなくて、話の筋が見えてこない。で、こちらの反応は、「いい話だと思うけど、もう少し整理したら?」

こんな風に、新しい事業を始めたいとか、今までになかったことをやりたいとかいうときにその内容をほかの人に伝えるのに苦労したこと、多くの人にあるのではと思います。自分の中ではイメージが見えているので、相手はわかってくれるはず。そう思って言葉を重ねても、相手にさっぱり響かない。実はこれよく起こることです。

いろいろな人や会社の事業プランを一緒に作らせていただく仕事を長くやってきましたが、「それ、一言でいうと、どういうこと?」という質問に、「×××××なんですよ」とクリアに答えられる人は多くありません。たぶんその理由は、ご自分でもよくわかってないから。だから、「この話の一番大切なところはここです」という核心が言語化できないのです。

「本当にこのことばかり考えている」という方によくあるのは、どんどん拡散していってしまうことです。「これも考えられる、あっちも大切だ」というわけで、話はどんどん広がり、話を聞いている側の頭の中はクエスチョンマークでいっぱいになって、あるところで理解する努力を放棄します。で、口から出てくる言葉が「それ、一言でいうと、どういうこと?」

ものの本によると、アイデアを考えるときは、拡散と収束のプロセスが必要で、拡散、つまり、連想ゲームのように「あれもある、これもある」と考えていくのは悪いことではありません。むしろ必要不可欠なプロセスです。でも、他人に話をして、意見を求めたり、コラボを期待したり、お客さんになってほしいのであれば逆効果。拡散した状態で話をすると、盛り上がるかもしれないけれど、目的は達成できません。悪い場合は、相手のシナリオに飲み込まれて、本来自分がやりたかったことと違うところに着地する恐れすらあります。

アイデアを出したら、いったん収束させる。そのときに役に立つのが、「それ、一言でいうと、どういうこと?」と自分に問いかけてみることです。

私は長いことコピーライターをやってきましたという話を自己紹介でいうことが多いのですが、コピーを書く仕事というのは、たくさんのアイデアを一つの言葉に落とし込むという作業が中心にあります。豊富な語彙を持っているとか、いっぱい本を読んでいるとかも大切なのですが、雲のように広がるアイデアや言葉の集合体から、核心になるコンセプトを見つけ出して、ターゲットに響く短い言葉に変換することが中心にあります。で、この作業は、コピーライターだけがやるべきことではなく、誰かに何かを伝えたい、伝えなくてはならない人は、絶対にやった方がいい作業なのです。

「私は日本語の才能がなくて」とか「言葉をあまり知らないので」という声も本当によく聞きます。時間ばかりかかって成果が出ないのであれば、お金を払って専門家に頼むのもいいでしょう。でも、アイデアを言葉に落とし込むという「言語化」の作業は、ビジネスのどんな場面でもすごく大切で、これができるとできないとでは、自分の中の納得感や他人への影響力という点で大きな差を生み出します。

すごく良いアイデアを思い付いたのだけど、周囲が理解してくれないというときは、相手に伝わるキャッチーな言葉を考えましょう。かっこいい言葉を考え付かないのなら、ダジャレでもおやじギャグでもなんでもいいのです。「お?」とか「え?」とか思ってもらったら、相手の聞く耳が少しこちらを向き始めます。

ちなみに弊社の事業もよく「幅広いですね~」と言われます。要は「いろいろやっていて、何が中心かわからない」ということでしょう。そういう時は、一言「外向きのブランディングと内向きのブランディングを同時にやろうという日本で唯一の会社です」と答えます。これを端的に表すのが「マインドシェア経営」とか「マインドシェアブランド」という言葉です。でも、まだわかりにくいので、本を出させていただいたり、セミナーを開いたりして、その内容を紹介したりしています。

さて、本日の結論。相手に言いたいことが伝わらないときは、言いたいことを短い言葉にまとめて言ってみる。「それ、一言でいうとどういうこと?」と自分に聞いてみるのが良いです。これが実はブランディングの第一歩なのです。


弊社主催セミナーリニュアル中、秋ごろ再開予定です。

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