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第195回 予期せぬ幸運をまねくコツ

新規事業の立ち上げにあたり、拠点となる物件を探していた事業者さんのお話しです。半年間、苦労して探し続け、なかなか納得する物件に巡り合えない。頼りにしていた不動産屋さんも途方に暮れるほど難航していた物件探し。それが、別の不動産屋さんに出向いたその日に解決したというのです。

「こちらがお願いした条件をほとんどクリアする物件を紹介してくれたんです」と興奮気味にお話しになられる様子からも、半年間苦労された様子が垣間見えます。

こんな風に何かがきっかけで、ことがトントン拍子に進むというお話し、時々お聞きします。だいたいこの手の話しの枕詞になるのは、「たまたま…」とか「偶然に…」とか「幸運なことに…」なわけですが、それは、本当に、たまたまの偶然の幸運だったのでしょうか。

セレンディピティという言葉があります。たまたま降ってきた幸運、くらいの意味で使われていますが、実は、世の中の多くの発明、発見、誰もが驚くような意外なビジネスの展開は、セレンディピティによって引き起こされているとも言われます。

若干スピリチュアルの気配が漂いますが、私、この予期せぬ幸運というものにすごく興味がありまして、できるのであれば、予期せぬ幸運をコントロールして自分のほうに引き寄せたいと思うわけです。

そうなるためにはどうすればよいか。

クリスチャン・ブッシュという方が書かれた「セレンディピティ 点をつなぐ力」という書籍から実践的な方法をひも解くと、こんな感じです。

まず、何か予想外なこと、普通ではないことが起こります。これがセレンディピティ・トリガー。

そして、その人がトリガーをそれまでとかかわりのなかったことと結びつける。点と点を結び付け、一見偶然のような出来事や出会いに価値があるかもしれないと気づく。これが、バイソシエーション。

そして、この予想外の結びつきを活用しようと思う。これが、セレンディピティ・マインドセット。

……わかったような、わからないような気分になってきますが、要するに、何か起こったら、「これは自分にとって何か価値のあることかもしれない」と思うと、頭の中で別の何かと結びついて偶然の良いことが“創造される”のではないかと。

そう考えると、偶然のラッキーは空から降ってくるのではなく、自分のなかで生成されるということになります。

面白いのは、こうしたセレンディピティな出来事を経営に役立てるべく活用している会社があるということです。偶然起こった良いことを記録に残して、別の何かと組み合わせ、新しい打ち手に活用する。

ドラッカーも「予期せぬ成功」「予期せぬ失敗」は、イノベーションをもたらす可能性が最も高い出来事だと言っています。だから、何かまずいことが起こったら、空から良いことが降ってきていると考えた方がセレンディピティ・マインドセットを上手に働かせることになる。そして、人間万事塞翁が馬のごとく、いずれは良い出来事を招くはずなのです。

そういえばスティーブ・ジョブズもConnecting Dotsと言っています。過去の経験は「点」でしかないが、それを結び付けることで、新しい何かが生まれると。

シュンペーターは「イノベーションは新結合」ですね。つまり意外なものの組み合わせから新しいものが生まれるわけで、こうしてみると、みなさん同じようなことを言っています。

大切なのは、生成された偶然の良いことを、イレギュラーとして排除しないこと。これまで慣れ親しんだルールから外れていると言って、無視しないことです。むしろ、それを活用するにはどうするかと考える。これ、セレンディピティ・マインドセットなわけです。

さて、あなたのセレンディピティ・マインドセットはいかほどでしょうか。バイソシエーションを楽しんでいるでしょうか。そして、そんなことが許される環境をほかの人のために用意しているでしょうか。


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