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第187回 働く環境への投資がブランドづくりに不可欠となる日

先日の日経新聞に、某大企業が週休3日制を導入するという記事が掲載されていました。働く時間ではなく、成果を重視した施策とのこと。

もう何年も前から「日本企業の生産性は先進国中最下位」だとか「日本の中小企業の給与が低いのは、労働生産性が低いからだ」とか言われ、過去10年間の賃金上昇率が米欧諸国と比べて圧倒的に低いというニュースも最近話題になりました。その元凶ともいえる「時間で管理する」という方法にやっとメスが入ったようです。

同じ日の別の紙面には、人的資本のレベルを数値で表す大企業の試みも掲載されています。今までなんとなく「もやっ」と議論されてきた人材の意欲と企業の業績との関係が明らかになるのは非常に嬉しいことと思っています。

その意欲も無理やり「出させられる」意欲でははく、人材の側が能動的に「出したくなる」意欲であるとさらに嬉しい。

日経新聞に掲載される事例というのは、おおかた大企業のそれで、中小企業に属する私たちから見ると、空のかなたの星を見るようなもの。

「そうはいってもね」

「大企業は体力あるからできるよね」

「中小は目の前の仕事が最優先だから」

という声をいろいろなところで聞いてきましたので、今回も星を見るような思いは変わりません。ただ、多くの中小企業が今本当に悩んでいる「人材採用」の問題にフォーカスすると、俄然、このお話がリアルに感じられます。

特に新卒採用において、この傾向をとらえた対策は積年の課題を解決する可能性を秘めています。つまり、知名度の低い、最終製品を扱っていない、BtoBの事業をやっている中小企業にとっては、まっさらの新卒学生に魅力を伝える手段は非常に乏しい。そのときに、働く環境への投資や、人材の成長を促進する施策や、その結果、人材が目覚ましい成長を遂げた…といった情報があれば、学生にとって喜ばしい魅力を一つ伝えることができます。

そして、もうひとつ、ダメ押しで欲しいのが、若い世代にも共感性の高いビジョンの打ち出しです。

新卒学生が企業の何を重視しているかといった調査結果をよく目にします。そのとき必ず上位に入っているのが「経営者のビジョン」。将来に期待が持てるような、自分もそこに参加してみたくなるようなビジョンがあれば、会社の魅力はさらに増します。

そしてイマドキのテーマとしては、本質的な意味での持続可能性への貢献も若い世代へのアピールには欠かせません。

経験者であればともかく、新卒の学生たちは社会人経験がほとんどありません。だから、業界における会社の優位性をいくら熱く語っても、よほど生活者に近い業界でない限り、あまり大きなインパクトを残せません。であれば、学生たちに寄り添う別の角度から訴求していくのは理にかなった方法です。

この新卒学生を優先する考え方には、若干既存の社員たちを軽視する気配があって、気持ちの良いものではありません。が、実質的なご利益は必ず今いる社員さんたちにもめぐってきます。つまり働く環境が改善し、働く意義が明確になる。

新卒採用という切実な問題を切り口にして、貴社の社員の気持ちがそろうインナーブランディングへと発展していきます。

ともすれば優先順位が低くなりがちな働く環境への投資が、貴社の利益を生むブランディングへと発展する。少し長い目で見ていく必要はありますが、早く始めれば、早く成果を見ることができます。コロナ禍から立ち上がる今はそのチャンスなのかもしれません。ぜひご一緒に考えていきましょう。


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