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第185回 社長と社員のパラダイムの違いについて

「これから新しい会社を作るんですが、雇用するのと外注を使うのとどちらがいいですか?」

ときどきこんな質問をされることがあります。多くの創業者は小さくスタートしますから、「当面、自分ひとりでやります」というケースの方が多いのですが、少し大きめのビジネスをやられる方は自分ひとりでは仕事を回しきれないので、誰かに助けてほしい。そういうときに、社員を雇うべきか、外注で賄うべきか、はたまた別の方法かという選択に悩むことになります。

このあたり、「経営者の考え方次第」だとは思いますが、それでは答えにならないので、こんな風に説明します。事業を始めるからには、雇用をして社会貢献するのが当然と考える方もいれば、事業が安定するまでは、事業に集中したいから手慣れたプロ、つまり外注に任せないという方もいる。「あなたはどちらですか?」と。

そんな風に答えながら、いつも頭に浮かぶのは、ある社会起業家のコメント。社会起業家もベンチャー経営者も、すべての創業者について言えることですが、事業を軌道に乗せるためには勢いが欲しい。特に大きなことを成し遂げようという方には、文字通り寝る間も惜しんで働き続けるだけのモチベーションと体力が必要で、そんな時期に、社員を雇うことにはリスクがある、とその社会起業家は指摘するわけです。

「社員を雇うと、その人は社長や上司の評価を求めるようになる。本当は外に向けてお客さんのニーズに深く応えるためのアイデアを練らなければいけない時期なのに、『私の仕事を評価してほしい』というスタンスで関わられてしまうと、エネルギーが割かれる」と。

特に社会起業家の場合は、貧しい国の生産者を助けたり、社会的弱者を救うための事業を手掛けようとするわけで、ゴールまでの距離が遠くて、やるべきことが多い。だから志を同じくする人が、ともにゴールを目指すというスタンスで関わってくれるほうが、当初の意思は全うしやすい。

ある程度事業が安定した余裕のある会社であれば、社員の育成に時間もさけます。そうでない場合は、社員のお世話に手間を割かれて、本来やるべき仕事が後回しになってしまう。そういうストレスを感じたことのある経営者の方は多いと思います。

長い目で見れば人材育成は非常に重要な課題です。それに雇用は社会貢献の一環でもありますから、本来的にはやるべきこと。でも、時と場合と事業の形態によっては、優先順位を下げざるを得ないときがあるわけです。

このお話を少し別の角度から見てみると、社長と社員のパラダイムの違いという現実が見えてきます。パラダイムとカタカナが出てくるとカッコつけてるようですが、要するに、見ている世界が違う、ということです。

社長が見ていたいのは事業を成功させるための道筋で、社員が見ていたいのは自分が成長するための、あるいは自分が評価されるための道筋。社長が目指したいのは会社の利益で、社員が目指したいのは他人からの承認や評価、あるいは成長の実感。

まぁ、ここまでステレオタイプではないにせよ、見ている世界が違うままで放っておくと、会社の統制はとれず、社員の満足は得られないという双方にとっての悪循環にはまっていきます。

それで、見ている世界を近づける必要が出てきます。その一つの方法が、インナーブランディング。創業期を経た会社がある程度の安定期に入り、次のステージに進めるために今一度社内体制を整えたいという経営者に、取り組んでいただきたいものです。


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