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第181回 変革を担う、女性たちへ。そして言葉の力について

2024年から5000円札の「顔」になるというので、一躍有名になった津田梅子。6歳でアメリカに渡った日本初の女子留学生で現在の津田塾大学の創設者でもある梅子の青春時代を描いたドラマが、先日テレビで放映されていました。

女優さんが美人すぎて、少女コミック(古い!)を見ている気分になりましたが、それでも、11年の留学生活を経て帰国してみたら、約束されていたはずの教師の職が反故にされ、日本に根付く古式ゆかしき差別意識に憤る梅子の姿に、現代に生きる女性たちとの共通項が上手に映し出されていました。

程度や現れ方こそ変化していますが、ジェンダーの問題というのは現代にも脈々と引き継がれています。さすがにあからさまなハラスメントは減ったものの、潜在意識に刷り込まれた差別意識というものは本人も気が付かないところで深く巣食っています。それで「アンコンシャスバイアス」などという名前を付けて、日の当たるところに引っ張り出そうという取り組みも始まっていたりします。

女性がジェンダーギャップの話をし始めると、男性はもう黙るしかありません。それこそ逆ハラスメントの様相を見せ始めますので、私としてはこの領域にはあまり立ち入らないようにしてきました。が、一つだけ言えるのは、ジェンダーギャップの問題は、反対のジェンダーを支配や抑圧してきた側だけの問題ではなく、支配されてきた側もその片棒を担いでいる側面があるということです。そこに目を向けないとどうにもフェアにならず、その話を始めると長く長くなるので、あえて立ち入らないという選択をしてきました。

津田梅子の話しに戻ると、約束された教師の仕事が反故にされ、いくつか挑んだ仕事もうまくいかず、結局自分で女子英学塾を立ち上げることになった梅子の軌跡が、最近よく聞く起業ストーリーと相似形で、時代変われど、起業の動機は変わらずという印象を持ちました。

たとえば、勤めている会社で、もっとお客さんに喜んでほしいと考えた社員が、新しいサービスや事業を考えた。ところが上司や社長は「そんな金のかかることは、ここではできない」という。いったんはそこであきらめるものの、毎日の仕事のなかで「やはり、この事業は社会やお客さんが絶対に必要としている」と思い立ち、周囲からの期待を聞かされたりして、図らずも考案した人自身がその事業を立ち上げることになってしまった、といった起業の経緯です。

ところで、最初から起業家になりたかったわけではなく、気が付いたら起業家になってしまったというようなかたちで事業を始めるのは、その後の事業が順調に進みやすいパターンとも言われています。なぜなら、その事業を求める人がすでにいるからです。つまりニーズが確実にある。だから、発展します。

梅子に多くの賛同者、協力者が現れて女子英学塾の開学に至った道筋、そして、関東大震災の後の塾の復興に多額の寄付が集まったという経緯にも重なります。

さて、津田梅子が始めた女子英学塾、現在の津田塾大学は、2020年に120周年を迎えました。そして久しぶりにホームページを見てみると「TSUDA VISION2030」として、モットー「変革を担う、女性であること」、ミッションステートメント「弱さを、気づきに/強さを、分かち合う力に/不安を、勇気に/逆境を、創造を灯す光に」と記してあります。

さかのぼること100周年のときは確か「100年、女性を勇気づけてきた」がブランドスローガンでした。

いずれも、ともすれば弱い立場に甘んじがちな女性たちを勇気づけ、前に進ませる、強くて優しい言葉です。母校津田塾の発信するこうした「言葉」を見るたびに、私自身、本当に勇気づけられてきました。

変革を担う、女性たちへ。そしてその志に賛同する男性たちへ。弱さを知っている人だからこそ追求できる理想があります。上記のようなステートメントやスローガン、つまり「言葉」は、ともすれば日常の雑多な出来事にかき消されてしまう理想のイメージを常に身近に漂わせておくうえで非常に大きな役割を果たします。それが、ブランドの役割の一つでもあります。

関わる人を、志を同じくする人を勇気づけるブランドづくり、ぜひ一緒に考えましょう。


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