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第175回 若手の不満と上司の苦労、そして会社のブランドについて

中堅規模の企業に勤める知人の嘆きです。その中心は「同じ部署の若手が、権利ばかりを主張して困る」というもの。「好きな時に有給休暇を取らせろ」だの「再雇用制度の話をするより、俺たちの給料上げろ」だの、と。

確かに「働き方改革」やら「ハラスメント」やらの言葉が市民権を得るにしたがって、この手の話し、あちこちで聞くようになりました。そして矢面に立たされる上司の皆さんのご苦労もいかばかりかと想像します。

以前このコラムで「正論ばかりいう社員にどう対応するか」といった内容を書いたことがありました。そしてそのコラムのページビューがかなり多かったので、この問題に悩んでいる人が多いことを改めて感じたものでした。

思い返せば、私たちの世代も若いころは「新人類」などと言われ、上の世代からは「何を考えているかわからない」と思われていたわけです。年月たって、晴れて「上の世代」に属するようになると、同じように、「若い人たちが何を考えているかわからない」となるわけで、これは永遠に繰り返されるジェネレーションギャップ由来の問題であることがわかります。

そんなことを考えていたら、先日の日経新聞に先進的な企業が採るオープンな社風とはどういうものかを書いたものを見つけました。それによると、これら組織で重視されるのは「自由と責任」であると。ただ「自由と責任」が最大の優先事項であるとしたら、各自が好き勝手に動いてしまって組織の目的達成は難しくなる。そこで、「自由と責任」と同じくらい重要な決め事として「フィードバック」が重要になっているという話し。

そのフィードバックもよくある「半期に1回」とかいった少ない頻度ではなく、ほぼ毎日であると。

つまり、自由と責任を尊重しつつも、組織のルールに外れていたり、他人に迷惑をかけていたりしたら、即座に指摘しましょうという決め事ができているということらしいのです。そしてそのフィードバックは360度、つまり上司から部下に対してのフィードバックと、部下から上司に、同僚にと、すべての方向にありうるというわけです。

フィードバックのスキルについて書いた本は何冊もありますが、私が大切だと思うのは、「人」と「行為」を分けること。

誰でも批判されたり、非難されたりするのは嫌なものです。だから、その人自身や性格について指摘するのではなく、やっている「行為」自体について指摘したほうが比較的、無難に受け入れられます。

さらには伝え方もあります。悪いところを指摘してそのままだと、相手はどうしていいかわかりません。「こうするといいよ」と愛をこめて言う。この「愛をこめて」というところがポイントです。

さらに加えると、「私はこう思う」というメッセージとすること。その指摘はあなたの意見であることは間違いなく、空の上から神様が天命を下すかの如く言っているアドバイスではないのです。つまり、相手は、そのフィードバックを受け入れても、受け入れなくてもいい。主導権は相手にあります。

冒頭の「困った部下」のような人物に、私自身ときどき、出会うことがあります。会社や上司の姿勢に対する激しい批判を、第三者の私にぶつけてくる若者です。

彼の視点に立ってみれば、その不平不満もわからないではないので、まぁいったん受け入れたうえで、笑いながら言います。「きみの上司もかわいそうだねー」と。不思議なことに相手も「そうですよね」とうなづきます。

こんな風に第三者的な立場で少し引いてみると、困った部下への対処法も見えてくるのではと思います。

でも劇的な変化はきっとありません。気づくのは部下が上司の立場になったとき。

親にならないと親の気持ちがわからないように、社長にならないと社長の気持ちがわからないように、人は生身でその立場にならないと本当の相手の気持ちはわかりません。

要するに相手の立場がわかるまで視野を広げられるかどうかが問題なのです。そして相手の視野が広げられるように働きかけられるかどうか、上に立つ人のスキルが試されるということになります。

さて幸福な職場は生産性が高いという話を何度もしていますが、「幸福」の一要素に「人間関係がよい」というものがあります。不満が出てくるのは、関係が悪いせいかもしれません。そして人間関係の問題は、双方に原因があります。

会社のブランド力を上げていきたいなら、こんな内なる変化も必要です。興味のある方、ぜひお声がけください!


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