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第171回 「やらなければいけないのはわかっている。でも何をしたらいいかわからない」という人への処方箋

今年も一年、いろいろな方のお話を聞き、自分の仕事や人生と照らし合わせて感動したり、納得したり、妄想を広げたりさせていただきました。お話を聞かせていただいた皆様、ご相談をお寄せいただいた皆様、周囲の皆様に心より感謝申し上げます。

さて、中小企業の社長や起業を目指す人を支援する立場から、最近よく聞く言葉の一つが、「やらなければいけないのはわかっている。でも何をしたらいいかわからない」です。

起業を目指す人は、人生100年時代を前に自分の身を守るすべを「見つけなければならない」と仰る。年金もあてにならない、再雇用されても給料がガクンと下がるとなると、自分のモチベーションを維持しつつ、収入も確保する別の道を模索したくなるのも当然です。

中小企業の経営者の方にお話を聞くと、「既存事業の先行きは見えている。何か新しいことをやらなければならないのはわかっている。でも、何をやればよいのかわからない」と、同じようなコメントを聞くことがあります。

その気持ちよくわかります。まったく新しいことに手を付けるとなるとリスクも高いし、下手すると大損をするかもしれません。だから、一発で大当たりする鉱脈を見つけたいわけです。その鉱脈が見つからないから、「何をしたらいいかわからない」となります。

聞くところによると日本人は心配性の遺伝子を多く受け継いでいるそうです。

幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの量が脳内から減ると不安を感じたり、気分が落ち込んだりする。このセロトニンの分泌量はセロトニントランスポーター遺伝子によって左右され、この遺伝子にはセロトニンの分泌量の少ない「S型」と多い「L型」の2種類があり、その組み合わせによって「SS型」「SL型」「LL型」に分かれる。そして、驚いたことに日本人の遺伝子はSS型が65%を占めるというのです。つまり「超」がつく心配性が全体の65%を占める、これが日本人だと。

我が身を振り返っても、周囲を見回しても「どうりでね」と思います。とにかく、未知のものに対して、まだ起こってもいないのに心配することが多くあります。それも自然災害が多く、身の危険を事前に察知して生き延びてきた日本人の過去の経緯を顧みれば、「どうりでね」と再び納得する次第です。

だからこそ、小さく始めることを考えたいのです。そして選択肢をいくつか持っていることを考えたいのです。

上記の「何をしたらいいかわからない」という人も、まったく選択肢を持っていないわけではありません。これまでの経験で培ってきた有形、無形の資産は多数あるはずです。それをどう料理すればいいのかが「わからない」ということだと思います。

本業が忙しくて新しいことに手が付けられないのはわかります。でも本業がいつまでもそのまま続かないこともまた事実です。だからお金があまりかからない範囲で小さく始める。そしてその可能性を少しずつ検証してみることをお勧めします。

選択肢がいくつかあれば、一つがダメでも、次に移っていけます。もしかしたら、同じ事業であっても対象や切り口を変えるだけで、お客さんが見つかる可能性もあります。事業はお客さんがいれば成立するのです。

心配性の遺伝子は、一歩前に進むことを拒みます。が、そのハードルを少し下げて、何はともあれ一歩進めば、次の手が見えてきます。

ということを私自身にも言い聞かせながら、2021年最後のコラムはおしまいです。

2022年が、皆様にとって、より輝く年でありますように。心より祈念申し上げます。

良いお年をお迎えください。