東京事務所

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第166回 お客さんのワガママにどこまで付き合うか

先日、父親と一緒にお昼のお弁当を買いに行ったときのお話しです。その店は店内調理をしていて、朝からお弁当やらお惣菜やらが次々に出来上がって店頭に並べられていました。うちの父は「このあいだ食べた野菜てんぷらの盛り合わせが食べたい」と。前回、一緒に来た時に買って帰ったそれが大層おいしかったらしく、リピート購入をご所望されるわけです。

お昼にはまだ2時間もある早い時間だったので、店内を見回したところ、てんぷらの登場までにはまだ時間がかかるらしい。で、お店のお姉さんに「野菜天の盛り合わせはありますか」とお尋ねしたところ、「いま、エビとイカが揚がりました」と。

「野菜天は…?」と聞くと、「エビとイカならあります」と再び同じお返事。

困ったなと思っているうちに、調理場の奥から現れた別のお姉さまが「10分待ってくれれば、盛り合わせつくります」と助け船を出してくださいました。それを聞いたうちの父親、「待つよっ」と上機嫌にお返事。

最近、お店が変わってきたなぁと思いました。もちろん、この店が特別だったのかもしれないのですが、規格外れのお客さんの要望に何とか応えようとする姿勢には有難さを覚えます。特に年をとると、人生の楽しさに占める食べることの割合は激増します。そのささやかな要望に応えていただいたことに深く感謝しつつ…。

でも、待てよ、と思いました。

これが近所のおばちゃんだったら、きっと同じように対応してくれただろうな、と思ったのです。気心の知れた近所づきあいだったら「あと10分待ってくれたら」という交換条件を出して、「野菜天の盛り合わせ」を用意することも普通にできるだろう、と。

これが仕事になると、店の決め事とか会社のルールがまず頭をよぎって、「いまイカとエビしかないから、野菜天欲しくてもイカとエビを買ってね」と今あるものを押し付けるのが当然となってしまうことがあります。

特に上司や先輩たちの目が厳しい職場では、お客様ファーストをうたいつつも、なぜか会社のルールファーストになりがちです。

野菜天の盛り合わせが欲しい人にとっては、交換条件として出された「10分待つ」などなんてことないのです。だから、そんな待ち時間があったことなど忘れて、「あの店は良い店だ」といつまでも言い続ける。

でもルールにないからという理由で、お客さんの切なる要望を拒絶してしまうと、「あの店は気が利かない店だ」とうれしくない印象が残ります。

この一瞬の判断が店や会社のイメージを左右するとしたら、ルールよりも客の気持ちを優先するような雰囲気を創っていく必要があります。

もちろんモンスター並みの客もいますから、すべての条件をのむ必要はないのです。クレームの専門家は「理不尽な客の要求には従ってはいけない」と言います。対応できないなら、できない理由をきっちり言って、明確に断るべきと。

客が何か言った時のその一瞬で客の要望をくみ取ることができれば、たとえそれが、規格外の要望であっても、対応可能な範囲の「ワガママ」であれば、応じておいた方が得です。イメージアップになるばかりでなく、その一品の買上げが増えれば売上にも貢献するからです。

そのためには、お客さんの気持ちを汲み取るトレーニングが必要です。といっても難しいことをする必要はなく、そういうことに長けた人を置いておけばよいのです。その素晴らしい対応に客が感謝する姿を見て、周りもマネをします。そしてそれが職場の雰囲気になっていきます。実はこれが職場を改善する一番良い方法なのかもしれません。

皆様の職場はいかがでしょうか。


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