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第148回 正論を言う社員への対処法

先日、ある会社での雑談中に、正論を言う部下にどう対処したらいいか尋ねられました。「正論を言う」とは、世の中の流れに照らして会社のここが良くないとか、就業規則に照らしてここが違うとか言う、ことのよう。

たとえばSDGsの17のゴールもその正論の一つで、#5の「ジェンダー平等を実現しよう」などは、「そうなるといいことはわかっている」だけど「現実はこうだから難しいよね」という類のものです。

正義感が強くて勉強をよくする社員は、持ち前の探求心で得た知識を、現状の攻撃に使うことがあります。その上に立つ社長や上司は、正論なので反論のしようもない、「そうは言ってもね…」という言葉でお茶を濁すばかり。確たる答えが出てこないとなると、さらに正論がエスカレートして…という具合に、あまり良い方向に転がっていきません。

背景に色々な事情があるとは思いますが、考えられる対処法の第一は、「なぜその人が正論をかざすのか」を考えることです。大体にして自分の業務とはあまり関係のないところで正論をかざすわけですから、何らかの理由があるはず。本人も気づいていなことが多いのですが、高い確率で、承認欲求のなせる業であったりします。つまり、「私を見て、見て」のメッセージです。

背景を探ると、一生懸命仕事をしているのに認められていないとかの想いがあるかもしれません。それが少し変化した形で表出していたりするのです。

ということであれば、やるべき第一は、その人の仕事を承認すること。パフォーマンスの良し悪しではなく、とりあえずやっていることを承認します。あるいは、自分の仕事に対してどのように自己評価しているかを聞きます。

次に、提示された正論をどう扱うかです。

先述のSDGsの5番目のゴール「ジェンダー平等を実現しよう」に関連して、よく言われるのは日本の管理職に占める女性の割合の低さ。政府は30%を目標にしていますが、実質的にはまだ一けた台。ただ、それは、会社側が怠っているのが主要因ではなく、女性の側にも若干複雑な事情があって、それらが絡み合ってなかなか改善の方向に向かっていかないというのが真実です。

つまりは正論をかざしてみたところで「すぐには解決できない問題」なのです。だから、長い目で見る必要があり、いろいろな視点で問題を検証してみる必要があります。

ということを言っても多分ラチが明かないので、次善の策となるのは「あなたの立場でこの正論を実現するためにできることを考えてください」というアプローチです。

正論をかざす人は多くの場合、自分と問題を切り離しています。だから、社長や上司に対して、「正論と現実が乖離しているから、何とかしてください」と言ってくるのです。問題なのはわかっているけど、「解決するのは私じゃない」というスタンスです。

世の中はいろいろなところでつながっています。風が吹けば桶屋が儲かる、中国で蝶が羽ばたけばアメリカで嵐が起こるなど、一見関係のなさそうなものごとがつながりあって、意外な結果をもたらします。6人の友人を介すれば世界中の人とつながる、も然り。

何かが問題だと思ったら、その問題である状態を無責任に他人に投げないで、「自分が何ができるかを考える」のが、当面とり得る唯一の方法です。つまりは「ジブンゴトにする」ということです。そのジブンゴトの対処策も多くの人が取り組むようになれば、最初は解決不能に見えた問題もいずれ解決の方向に向かうはずです。

「そんなことできません、と言われたら、どうしましょうか?」

この質問もごもっともです。そんな時は、こんな言い方はいかがでしょうか。

「気づいた人が一番その問題の重要性がわかっている。だから、あなたの力が必要です」

鼻白まずにいえるかどうかはあなた次第。でもローマならぬ正論も一日にしてならず、です。こういう社員の力を活かせるかどうかも会社の発展に関係してきます。ぜひ一緒に考えていきましょう。


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