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第137回 ネガティブをポジティブに変える制約条件の活用法

先日の新聞にレストランがシアター化しているという記事が掲載されていました。ご覧になった方もおられると思います。

美味しい食事と会話を楽しむというレストランの機能が、コロナ禍のおかげで文字通り半減となり、代わりに登場した「黙食」という習慣。どうせ黙って食べるのであれば目で見て楽しめるシアター化を図ってしまおうという考えは、まさに逆転の発想。見事な価値転換で拍手を送りたくなります。

考えてみれば、お皿の上はシェフのキャンバス。そのお皿が乗った白いテーブルごとスクリーンに見立ててプロジェクションマッピングとシェフのセリフを楽しむといった趣向は、確かにありそうでありませんでした。コロナ禍で強制的に会食から会話が排除された結果、たどり着いた新しい発見とも言えそうです。

こんな風に同じものに違う角度から光を当ててみると、今までとは違った趣向が生まれてくることがあります。新しく生まれた制約条件が、そのきっかけとなります。コロナ禍などその最たるもの。環境保護やジェンダー平等なども新しく生まれた制約条件と考えると、新しい切り口が生まれてきそうです。

ジェンダー平等で言えば、高校生の制服がジェンダーフリーになったというニュースが流れました。女子高生もスカートではなくパンツが選べます。ジェンダー云々を言う以前に、冬場はスカートよりもパンツの方が圧倒的にあったかいではないですか。ジェンダーフリーの浸透が、冬の寒さ対策に役立つとは、まさに瓢箪から駒のありがたさ。

環境も現在では企業活動に対する大きな制約条件の一つになっています。大量に廃棄される規格外の野菜の活用や、捨てられるはずだった洋服の再利用、売れ残りのパンを集めた夜中のバーゲンセール。どれも、限りある資源の制約条件を意識して生まれたビジネスです。

制約条件が既存事業に新しい切り口を与えるという観点は興味深いです。そうであるならば、ある商品やサービスから、その商品やサービスを楽しむために一番大切な要素を外してみるとどうなるかという思考実験はやってみる価値があります。

例えば、唐突ですが、かき氷を楽しむために一番大切な要素は何でしょうか。

それは「暑いこと」です。暑さを感じない季節にかき氷を食べるとしたら、どんな新しい切り口があると楽しめるのでしょうか。

月並みですが豪華なフルーツ山盛りのかき氷。昔であれば考えられなかった1000円を超えるかき氷も当たり前に見られるようになった昨今。冷房の効いた部屋で食べるかき氷に、一興を添えています。

先日、ご相談に乗った伝統産業の事業者さんは、耐久性や耐食性の面で新しく登場した製品とは太刀打ちできないと悩んでおられました。

このお話し、逆から見てみると、耐久性のなさは伝統製法の証明みたいなもの。ポジティブに捉えれば、本物の証となるわけで、時とともに輝きを失うものの中に新しい価値が生まれるといった言い方も、あり得るわけです。

価値は意味付けから生まれてきます。ポジティブに意味付けすればポジティブになり、ネガティブに意味付けすればネガティブになる。

味の薄いおかずも、ポジティブに捉えれば健康志向。お醤油を入れ忘れたと言えば、ネガティブ。

物事は常に良い面と悪い面を合わせ持っています。でも人は今までと同じように物事を見ることを続けがちです。良いものは良いまま、悪いものは悪いまま。なかなか意味づけを逆転させることができません。

だから、こういう時に、制約条件が役に立ちます。突然訪れた不便や不可避の欠点が、物事を逆から見る機会を与えてくれます。

何かネガティブなものが現れたら、チャンスと思ってみてください。すると、魔法のようにチャンスが現れます。この現実をぜひ一緒に体感しましょう。


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